伊福部昭「リトミカ・オスティナータ」のコンサートが迫ってまいりました!
関西フィルハーモニー管弦楽団第190回定期演奏会 日時:2007年2月9日(金)19:00 開演(18:40より指揮者によるプレトークあり)
会場:ザ・シンフォニーホール
出演:飯守泰次郎(指揮) 横山幸雄(ピアノ独奏)
曲目:シベリウス〈交響詩「フィンランディア」〉
伊福部昭〈ピアノと管絃楽のためのリトミカ・オスティナータ〉 ショスタコーヴィチ〈交響曲第5番 ニ短調〉
始めに曲名について。関西フィルのHPには「ピアノと
オーケストラのための」とありますが、本当は上に書いたとおり「ピアノと
管絃楽のための」が正しいはずです。ナクソスの日本作曲家選輯から出ている伊福部曲を集めた
このCDの曲名表記が誤って「
オーケストラのための」となっていることが影響したのでしょうか(もっともライナーノートの片山杜秀氏の解説には
管絃楽と正しく書いてますが)。全音から出版されている2台ピアノ版の「リトミカ」の楽譜も
オーケストラとなっています。
この曲は1961年、伊福部が47歳の時に書かれた1楽章形式のピアノ協奏曲です。「リトミカ・オスティナータ」とは「執拗に反復するリズム」というほどの意味。伊福部が戦時中に甘粕正彦の要請で満州国に行った時、立ち寄ったある寺院で〈小さな仏像が四方の壁全面に嵌め込まれている堂を見て、その異様な迫力に深い感動を覚えた〉(フォンテックのCD
伊福部昭:協奏三題
のライナーノートから引用)ことが作曲のヒントとなりました。
一つ一つはちっぽけなものでも、大量に集まれば迫力を生む。「ゴジラ」のあの音楽のようにオスティナート(繰り返し)が大好きな伊福部昭の作品の中でも、この曲ほど「執拗に反復するリズム」を重視した作品はありません。
もうひとつの大きな特長は、5、7といった奇数のリズムを徹底して使っていることです。それは一つには5拍子主体の変拍子で曲のほとんどの部分が進んでいくということであり、かつ主要なメロディーの音の構成が「七五調」に基づいているということです。
小節ごとにめまぐるしく拍子が変化する? 不思議なリズム(はっきり言って私の耳では分析不能)に乗ってメカニックな、クラシック音楽的ピアニズム(という表現で合ってるのか?)とは無縁のピアノが暴れまわります。中間部、終結部のえんえんと5拍子が連続する場面、陶酔です。決めのフレーズは七五、七七動機が4拍子に乗って・・・(「七五調on4拍子」については作曲家・別宮貞雄の弟の翻訳家・別宮貞徳著「
日本語のリズム―四拍子文化論
」を参考にして下さい)
きわめて実験的な試みですが、屁理屈の多い頭でっかちなゲンダイオンガクを想像してもらったら困ります。面白さでは伊福部の曲の中も最右翼といえます。関西でリトミカが聞けるこの機会を逃したら後悔しますよ!
ひとつ心配なことが。この曲、難曲です。リズムが普通じゃないですからね。失礼を承知で「しっかり練習してきてくれ!」と言わせてもらいます。上で紹介したナクソス盤(ドミトリ・ヤブロンスキー指揮ロシア・フィルハーモニー管弦楽団、ピアノ独奏エカテリーナ・サランツェヴァ)なんかリズムがめちゃくちゃ、全然合ってなくてコケそうになります。とくにトランペット{{{{(+_+)}}}} 。こんな演奏なら勘弁願いたいです。
関西フィルさん、期待してますく( ̄Д ̄)ノガンバレーーー♪
(左の若杉弘指揮読売日本交響楽団、ピアノ小林仁のCDは「リトミカ」録音中最もまとまった演奏。録音はいまいちですが)