くまぞう雑記帳

伊福部昭、芥川也寸志、黛敏郎・・・クラシック系日本人作曲家の音楽を愛好しております。

「サンダカン八番娼館 望郷」予告編の伊福部昭ギター協奏曲 

〔2007.02.18〕
伊福部昭音楽祭の第2部<映画の世界「映画人、伊福部昭を語る」〉にトークゲストで出演する映画監督・熊井啓の作品「サンダカン八番娼館 望郷」(伊福部が音楽を担当)のDVDをツタヤで借りてきて見ました。(伊福部昭音楽祭については当ブログ過去記事伊福部昭音楽祭プログラムを参照)

人身売買でボルネオ・サンダカンへ売られ娼婦となった「からゆきさん」サキを演じた高橋洋子、老いたサキに扮した田中絹代、からゆきさんの実態を調べるためサキから話を聞きだそうとする女性史問題研究者の栗原小巻。この3人の演技が心に残りました。とくに終わり近く、栗原小巻に贈り物をもらった田中絹代が慟哭する場面、「山椒大夫」(溝口健二監督)で田中が演じた安寿と厨子王を求める老いた母の悲痛な呼び声もすさまじかったですが・・・鬼気迫るものがありました。ボロ家の床を張り替えて大喜びするシーンも何ともいえず可愛かったですね。

伊福部昭による音楽はというと・・・

冒頭の空港に飛行機が降りるシーンでは、5度音程を忙しく上下して最後に上の音から半音上がって終止する楽案(「交響頌偈 釈迦」第1楽章に出てくる)と、ゴジラ風に上から半音‐全音下がる3音動機が絡み合うカリンバの音色が南国ムードを演出します。サキがサンダカンに連れて来られた時の町の描写の場面、高橋洋子と田中健のラブシーンでもこの音楽のバリエーションが流れました。

サキの生い立ちの描写、初めて客を取らされたサキがどしゃ降りの雨の中倒れるシーンなど悲しげな場面につく音楽は弦楽中心の重厚で悲壮な音楽。この曲を田中健が高橋洋子に求婚するロマンティックな場面でも使っていたのが印象的でした(もちろんその後田中健は他の女に走る)。

さらに・・・このDVDの特典映像として収録された映画の予告編、これがなかなか面白かったのです。

[ 2007/02/18 21:53 ] 伊福部昭 | TB(1) | CM(4)

関西フィルハーモニー管弦楽団第190回定期演奏会:伊福部昭「リトミカ・オスティナータ」爆演感想です 

〔2007.02.11〕
2月9日の関西フィルハーモニー管弦楽団第190回定期演奏会:伊福部昭「リトミカ・オスティナータ」行ってきました! 感想を書きます(曲目等は前回エントリー2月9日関西フィル定期:伊福部昭「リトミカ・オスティナータ」参照)。

午後6時40分からステージ上で指揮の飯守泰次郎による誠実で朴訥な人柄がにじみ出た(お話はお世辞にも上手とはいえませんが)プレトークがありました。その後開演を待つ間に、ステージの奥からトランペットがリトミカ・オスティナータの一節を練習している音がバンダのように聞こえてきます。期待が高まります。

最初はシベリウス「フィンランディア」。冒頭の重厚な金管と低弦が・・・あれ、金管が・・・どうした金管。なんか調子悪い? 各パートがそれぞれあさっての方向を向いているような、しっくり来ない演奏のまま1曲目は終わってしまいました。ちょっと「リトミカ」が不安になってきます。

ピアノがステージに運び込まれ、いよいよ「リトミカ」が始まります。フィンランディアで飯守さん暗譜だったのでまさか「リトミカ」でも? と思いましたがやはりそんなことはなく、指揮台にも譜面台がセットされます。

遠くから呼びかけるようなホルンの響きでついに幕開きなのですが、ホルンは・・・不安的中(≧ロ≦)しっかりしてくれ ! 続いてピアノ独奏が入ってきます。横山幸雄さん、最初から熱演です。だけど少し硬い。リラックス、リラックス。オーケストラはいきなりエンジン全開のピアノに必死で食らいつきますが、どこかギクシャクした感じで数分間が過ぎて行きました。
 
[ 2007/02/11 01:20 ] 伊福部昭 | TB(3) | CM(4)

歯磨き犬くまぞう 

〔2007.02.05〕
くまぞうが歯を磨いています。歯磨き好きなおかげで口臭はあまりないです。体臭はひどいですが。












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[ 2007/02/05 22:59 ] くまぞう | TB(0) | CM(0)

2月9日関西フィル定期:伊福部昭「リトミカ・オスティナータ」 

〔2007.02.04〕
 伊福部昭「リトミカ・オスティナータ」のコンサートが迫ってまいりました!

関西フィルハーモニー管弦楽団第190回定期演奏会
  
 日時:2007年2月9日(金)19:00 開演(18:40より指揮者によるプレトークあり) 
 会場:ザ・シンフォニーホール
 出演:飯守泰次郎(指揮) 横山幸雄(ピアノ独奏)
 曲目:シベリウス〈交響詩「フィンランディア」〉
    伊福部昭〈ピアノと管絃楽のためのリトミカ・オスティナータ〉
    ショスタコーヴィチ〈交響曲第5番 ニ短調〉

 始めに曲名について。関西フィルのHPには「ピアノとオーケストラのための」とありますが、本当は上に書いたとおり「ピアノと管絃楽のための」が正しいはずです。ナクソスの日本作曲家選輯から出ている伊福部曲を集めたこのCDの曲名表記が誤って「オーケストラのための」となっていることが影響したのでしょうか(もっともライナーノートの片山杜秀氏の解説には管絃楽と正しく書いてますが)。全音から出版されている2台ピアノ版の「リトミカ」の楽譜もオーケストラとなっています。 

 この曲は1961年、伊福部が47歳の時に書かれた1楽章形式のピアノ協奏曲です。「リトミカ・オスティナータ」とは「執拗に反復するリズム」というほどの意味。伊福部が戦時中に甘粕正彦の要請で満州国に行った時、立ち寄ったある寺院で〈小さな仏像が四方の壁全面に嵌め込まれている堂を見て、その異様な迫力に深い感動を覚えた〉(フォンテックのCD伊福部昭:協奏三題のライナーノートから引用)ことが作曲のヒントとなりました。

 一つ一つはちっぽけなものでも、大量に集まれば迫力を生む。「ゴジラ」のあの音楽のようにオスティナート(繰り返し)が大好きな伊福部昭の作品の中でも、この曲ほど「執拗に反復するリズム」を重視した作品はありません。
[ 2007/02/04 03:05 ] 伊福部昭 | TB(1) | CM(8)

菅原明朗〈交響写景「明石海峡」〉について(1) 

〔2007.02.01〕
2007年1月28日付け当ブログ明石フィルハーモニー管弦楽団、略して○○フィル??で触れた明石出身の作曲家菅原明朗の管弦楽曲〈交響写景「明石海峡」〉について書いてみます。
 
この曲はNHKが戦前、日本各地の民謡の旋律を使った管弦楽曲を邦人作曲家たちに委嘱した「国民詩曲」のひとつとして1939年(昭和14年)に作曲、菅原自身の指揮で放送初演されました。  

菅原に師事した作曲家・深井史郎が「明石海峡」の影響を受けて書いたとされる〈交響的映像「ジャワの唄声」〉を収録したナクソス「日本作曲家選輯」シリーズのCD(→こちら)があります。そのライナーノートに「明石海峡」についての記述があります。例によって日本の作曲家に詳しい博覧強記の音楽評論家・片山杜秀氏の筆になるものです(以下〈 〉内は引用部分)。
 
解説によると、深井の「ジャワの唄声」はラヴェルの〈《ボレロ》を模したと言える音楽〉であり、深井が意識したのが同じくボレロの影響を受けた菅原の「明石海峡」でした。

 〈(引用者注・菅原は)《明石海峡》で、範を《ボレロ》に求めている。それは、菅原の故郷の明石で、海峡を抜ける船の水夫たちが歌う舟歌の旋律を繰り返し、クレッシェンドさせ、ついでディミニュエンドさせる。そのようにして船が視界に迫り、だんだん大きく見え、次に遠ざかり、小さくなる景色が写される〉(大活字強調は引用者)

[ 2007/02/01 01:23 ] 菅原明朗 | TB(0) | CM(2)
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