くまぞう雑記帳

伊福部昭、芥川也寸志、黛敏郎・・・クラシック系日本人作曲家の音楽を愛好しております。

芥川也寸志「弦楽のための三楽章」やるぞ:アンサンブル・ヴィオ神戸第7回定期演奏会 

〔2007.04.30〕
神戸を中心に活動しているアマチュア弦楽合奏団「アンサンブル・ヴィオ神戸」の定期演奏会で芥川也寸志の「弦楽のための三楽章<トリプティーク>」の演奏があるとのこと(終了しました→感想はこちら)。

アンサンブル・ヴィオ神戸 第7回定期演奏会

日時:2007年5月13日(日)14:00開場、14:30開演(入場無料)
場所:なるお文化ホール(西宮市古川町)
曲目:T.アルビノーニ/弦楽とオルガンのためのアダージョ ト短調
   ヘンデル/オルガン協奏曲 変ロ長調 op4-6
   ヴィヴァルディ/協奏曲集<調和の幻想>op3より 第11番ニ短調RV.565
   エルガー/弦楽のためのセレナード ホ短調 op20
   芥川也寸志/弦楽のための三楽章<トリプティーク>

私は芥川、エルガー以外の曲はよく知りませんが、なかなか凝った選曲ですね。

同じ日にこのコンサート会場の近所の兵庫県立芸術文化センターで芦屋交響楽団の定期演奏会があるんですよね〜。ベト1とマラ7。都合がつけばこれを聞きに行こうと思っていましたが、芥川のトリプティークが当然優先であります。芦響が16時開演だから芥川を聞いてから移動すればマーラーには間に合うか・・・そこまではしないと思いますが。

この演奏会の情報はアマオケ大好き、クラシック音楽大好きで見て知りました。ここをチェックしていなければ知らないままだったでしょう。安田さんありがとうございます。

いずみホール「日本のうた」第1回 「明治の黎明期から戦前まで」に行ってきた 

〔2007.04.28〕
2007年4月25日 大阪・いずみホール

●第1部 明治の唱歌〜洋に学んでの出発
蛍の光(作詞者未詳、スコットランド民謡)/庭の千草(里見義・詞、アイルランド民謡)/故郷の空(大和田建樹・詞、スコットランド民謡)/さくら(作詞者未詳、近世筝曲)/夏は来ぬ(佐佐木信綱・詞、小山作之助・曲)

●第2部 世紀末に出現した天才〜滝廉太郎
ピアノ曲「メヌエット」ロ短調(滝廉太郎作曲)/花(武島羽衣・詞、滝廉太郎・曲)/荒城の月(土井晩翠・詞、滝廉太郎・曲)/箱根八里(鳥居忱・詞、滝廉太郎・曲)

●第3部 明治から大正へ〜文部省唱歌の隆盛
われは海の子(宮原晃一郎・詞、作曲者未詳)/冬の夜(文部省唱歌)/春の小川(高野辰之・詞、岡野貞一・曲)/早春賦(吉丸一昌・詞、中田章・曲)/朧月夜(高野辰之・詞、岡野貞一・曲)

●第4部 大正文化と童謡の始まり
金糸雀(かなりや)(西條八十・詞、成田為三・曲)/七つの子(野口雨情・詞、本居長世・曲)/どこかで春が(百田宗治・詞、草川信・曲)/子諸なる古城のほとり(島崎藤村・詞、弘田龍太郎・曲)/鉾をおさめて(時雨音羽・詞、中山晋平・曲)

●第5部 頂点・山田耕筰(1886−1965)
曼珠沙華(北原白秋・詞)/野薔薇(三木露風・詞)/からたちの花(ピアノ独奏版)/中国地方の子守歌(作詞者未詳)

●第6部 激動の昭和へ〜山田耕筰と競った人びと
かごかき(貴志康一・詞、曲)/椰子の実(島崎藤村・詞、大中寅二・曲)/さんさ時雨、澤内甚句、田植踊、鍋子長嶺、南部松坂節、牛追歌(信時潔:ピアノ曲「東北民謡集」から)/泉のほとり(深尾須磨子・詞、橋本国彦・曲)/お菓子と娘(西條八十・詞、橋本国彦・曲)/舞〜六代目菊五郎の娘道成寺によせて(深尾須磨子・詞、橋本国彦・曲)

出演:小泉惠子(ソプラノ)/田中純(バリトン)/櫻井裕子/(メゾ・ソプラノ)/花岡千春(ピアノ)

企画・解説:礒山雅(いずみホール音楽ディレクター、国立音楽大学教授)

明治以後の日本の唱歌、童謡などの歌曲の歩みをたどる「日本のうた」シリーズの第1回です。今回は外国民謡に日本語の詞をつけた明治初期の唱歌から始まり、滝廉太郎、明治末期の文部省唱歌、大正時代の童謡運動、山田耕筰、そして戦前、戦中のポスト山田耕筰時代と、時代順に日本の懐かしいうたを紹介する楽しいコンサートでした(参考→いずみホールのHP 日経ネット関西版)。

[ 2007/04/28 04:07 ] 日本の歌曲 | TB(0) | CM(2)

黛敏郎、ジャズ、鍵盤打楽器:映画「女が階段を上がる時」「幕末太陽傳」 

〔2007.04.22〕
最近見た映画(DVDレンタル)

女が階段を上る時」(1960年、東宝)
監督:成瀬巳喜男 、音楽:黛敏郎
出演:高峰秀子、森雅之、加東大介、団令子, 仲代達矢

幕末太陽傳」(1957年、日活)
監督:川島雄三、音楽:黛敏郎
出演:フランキー堺、左幸子、南田洋子、石原裕次郎、小沢昭一

「女が階段を上がる時」:銀座のバーの雇われママに扮した高峰秀子、美しい! 色っぽい。映画の中では30歳という設定でしたが30でこんな大人の女いるか? まあ男もそうですが今の人間は幼稚です(もちろん自分も含む)。ママが惚れた銀行支店長の森雅之。男前、かっこいい、社会的地位ありだが煮え切らない、保身的、ずるい男・・・という役柄が似合う人ですね。

黛敏郎のジャズ調音楽。ビブラフォンとウッドベースのいらだたしげな響きが、華やかだが不安定な夜の女たちの境遇を示すのに効果を上げています。音を重ねたビブラフォンのうなりが黛の「涅槃交響曲」の梵鐘の響きに通じるものがあるような気がしました。

「幕末太陽傳」:このテンポのよさは尋常ではないです(特に中盤以降)。フランキーの動き、左幸子と南田洋子の乱闘シーンがすごい。映画の内容についてはサダナリデラックスさんのこちらのページで極めて詳細に紹介してありますので参考にしてください。

この映画も音楽は黛敏郎。やはりジャズっぽい曲、木琴の音が耳に残る部分が多いです。木琴、マリンバ、ビブラフォンなどの鍵盤打楽器を使うのが好きなのでしょうね。純音楽作品でも「BUGAKU」などで木琴系の音が印象的ですし、そういえば「木琴小協奏曲」という曲もありました。

フランキー堺が火薬を調合するシーンで流れるプリペアドピアノ(だと思う)と鼓、木琴などで奏される怪しい音楽が素敵です! 黛、センスいいなあ。
[ 2007/04/22 22:32 ] 映画、映画音楽 | TB(1) | CM(1)

山田耕筰「からたちの花」と島倉千代子 

〔2007.04.19〕
恥ずかしながらつい数年前まで・・・・

山田耕筰作曲の歌曲「からたちの花」というのは

「♪からたち、からたち、からた〜ちぃ〜の〜は〜な〜〜」

そう、島倉千代子が歌う「からたち日記」のことだと思い込んでいました(;^_^)

日本の作曲家に興味を持つようになる前は、古い日本の歌曲や童謡、唱歌などほとんど意識して聞くことがなかったので・・・誰でも知ってるようなことでも知らないことが多いですね。

先日購入した藍川由美の歌唱指導つきCD「日本のうた」歌唱法で、滝廉太郎作曲の「箱根八里」(←男声コーラスの歌が流れます。音量注意)を初めてまともに聞きました。知ってたのは「♪箱根の山は 天下の険」の部分だけですからねえ・・・常識なさすぎ(汗) まあさすがに氷川きよしの歌だとは思いませんでしたけど。

ところでこの曲に「羊腸の小径は 苔なめらか」という歌詞が出てきます。羊腸の小径(ようちょうのしょうけい)、意味分かりますか? 

ワタクシめがgoogle検索する前に小一時間考えて出た結論→羊腸=羊の腸。確かソーセージの皮は羊の腸でできている→では羊腸の小径は→

ソーセージの太さのことか!

そんなわけないですよねえ・・・答は「羊の腸のようにうねうねと曲がりくねった細長い小道」とのことでした。

いちおう音楽ブログをやっているのですから、同じ的外れでも「ガット弦の直径のことか?」というのならまだ格好がつくのですが。
[ 2007/04/19 21:22 ] 日本の歌曲 | TB(0) | CM(2)

山田耕筰のピアノ曲 

〔2007.04.07〕
「日本のうた」第1回「明治の黎明期から戦前まで」(2007年4月25日、大阪・いずみホール)というコンサートのお知らせを前回書きましたが→いずみホール「日本のうた」 、ここで山田耕筰のピアノ版「からたちの花」の演奏があるようです(参考→日経ネット関西版)。

この曲は山田耕筰ピアノ作品全集というCDで聞きました(アマゾン品切れ中)。ピアノのための「からたちの花」、というのが正式な曲名です。元の歌曲の劇的な部分を一層強調したような、流麗でダイナミックなピアノ曲に仕上がっています。以下、山田耕筰のピアノ曲について少し書いてみます。

あまり演奏機会には恵まれませんが、山田耕筰はけっこうな数のピアノ曲を作曲しています。上記の2枚組みCDは山田の主要なピアノ曲がまとめて収録されている貴重なもので、入手困難なのが残念です(私は図書館で借りました)。

山田のピアノ曲にはスクリャービンの影響を受けたものが数多くあります。このCDには「スクリャービンに捧ぐる曲」という曲のほか、「日記の一頁(プチ・ポエム集)」「7つのポエム『彼と彼女』」「5つのポエム『若いパンとニンフ』」など表題にポエム(詩曲)と付いた曲が収められています。スクリャービンに「2つの詩曲」「詩曲『焔に向かって』」など詩曲という形の曲が多いことが反映していると思われます。

[ 2007/04/07 17:51 ] 日本の作曲家 | TB(0) | CM(0)

いずみホール「日本のうた」 

〔2007.04.02〕
いずみホール主催公演「日本のうた」:第1回「明治の黎明期から戦前まで」

日時 2007年4月25日(19:00開演)
会場 いずみホール(大阪市中央区城見)
出演者 小泉惠子(ソプラノ)/田中 純(バリトン)/櫻井裕子/(メゾ・ソプラノ)花岡千春(ピアノ)/礒山 雅(企画・解説)
曲目 小学唱歌:庭の千草(アイルランド民謡)/小山作之助:夏は来ぬ/瀧廉太郎:花、箱根八里、荒城の月、メヌエット/岡野貞一:春の小川、朧月夜/中田章:早春賦/中山晋平:鉾をおさめて/本居長世:七つの子/草川 信:どこかで春が/山田耕筰:曼珠沙華、野薔薇、からたちの花/貴志康一:かごかき/大中寅二:椰子の実/信時潔:沙羅より/橋本国彦:お菓子と娘、舞  他

参考→いずみホールのHP 日経ネット関西版

なかなか意欲的な試みの歌曲コンサートです。橋本国彦「舞」が個人的には注目。深尾須磨子が六代目尾上菊五郎の娘道成寺に触発されて書いた詞を朗唱ふう、シェーンベルグのシュプレヒシュテンメというのがありますよね、そんな感じで歌い上げる曲です。生ではなかなか聞けませんよ! (聞いてきました! 感想は→こちら

(追記)山田耕筰のピアノのための「からたちの花」も演奏されるとのこと(→当ブログ山田耕筰のピアノ曲 参照)。

勝手にラフマニノフの日:ラフマニノフ風デューク・エリントン「ブルー・サージ」 

〔2007.04.01〕
にほんブログ村のトラックバック企画「勝手に**の日」、4月1日のお題は「勝手にラフマニノフ」ということで、私も初参加しました。といってもラフマニノフはよく知りません。「死の島」くらいでしょう、多少は「聞いた」といえるのは。ということで(?)デューク・エリントンの「ブルー・サージ」という曲を紹介させていただきます。

左に示したアマゾンのリンクは、ジャズの巨人デューク・エリントンの全盛期、「A列車で行こう」の作曲者ビリー・ストレイホーンが参謀としてエリントンのバンドに加入した直後、ジャズベースの革命児ジミー・ブラントンとテナーサックスの名手ベン・ウエブスターが在籍していた1940〜42年のスタジオ録音を網羅した「ブラントン=ウエブスター・バンド」という3枚組CDです。エリントンが最も充実し、最もとんがっていた頃の貴重な記録です。

「ラフマニノフと何の関係があるんや? エイプリルフールか?」と思われるかもしれませんが・・・このCD中に「ブルー・サージ」という曲があります。「サージ」はSerge、セルゲイ・ラフマニノフのセルゲイ(SergeyまたはSergei)の英語的な表記です。作曲者はデュークの息子のマーサー・エリントン。私が所持しているCDは1986年発売の輸入版で、そのライナーノートには私の英語力では(@・д・@)??ですが「この悲しい小品にはラフマニノフの厳格な表情と陰鬱なハーモニーへの志向が反映している」というようなことが書いてあるようです。

暗く悲しげなトランペットのソロによるテーマ、つなぎ部分の管楽器隊の「陰鬱なハーモニー」、ミュートトロンボーン、エリントンのピアノソロ・・・何とも絶妙なのです。どこまでこの曲が「ラフマニノフ風」なのか、勉強不足な私にはよくわかりませんが。

ジャズという音楽ジャンルの中で最もよく知られたビッグネームでありながら、意外なヘンテコリンさでジャズファンにも敬遠されがちなエリントン。その中でもとくに一風変わった曲です。このCDには「A列車」や「コ-コ」「セピア・パノラマ」「コットンテイル」「Cジャム・ブルース」など著名な曲が目白押しですが、それらに肩を並べる名曲です。クラシックファンの方が聞いても面白いと思います。

元ジャズファンの私ですが、マイルス・デイビス、ビル・エバンス(スコット・ラファロ在籍時のトリオ)とともにエリントンの1940年代前半だけは今でも時々聞いています。「勝手にラフマニノフ」にかこつけてあまり関係のないことを書いてしまいました。お許しください。

(追記:大ボケをかましました。私が多少とも知っているラフマニノフは「交響曲第2番」でした。なぜか「交響曲第2番」イコール交響詩「死の島」だと思い込んでいました><)
[ 2007/04/01 20:59 ] ジャズ | TB(1) | CM(4)

CD「浜辺の歌変奏曲〜成田為三ピアノ曲全集」について 

〔2007.04.01〕
2007年3月3日付け当ブログ記事「浜辺の歌」「かなりや」の作曲家・成田為三の驚愕ピアノ曲「君が代変奏曲」「浜辺の歌変奏曲」 で予告した浜辺の歌変奏曲〜成田為三ピアノ曲全集(ピアノ・白石光隆)の感想、というよりもさらなる紹介です。感想は「すごい」「面白い」など愚にもつかないことしか書けそうにないので・・・しかし上記の過去記事、さすがに少しコーフンし過ぎですね(汗)。

このCDの収録曲中最も長大で聞きごたえのある曲が、1942年に作曲された「君が代変奏曲」です。タイトル通り、日本国歌「君が代」を主題とする変奏曲です。若い頃に矢野顕子の初期の傑作「長月・神無月」に入っているジャズ、フュージョン風アレンジのインスト君が代を聞いたときもかなり驚きましたが、この成田為三の曲は正攻法も正攻法、真正面から君が代をクラシック音楽にしてしまった手腕に感心しました。この曲に絞って少し書いてみます。

まず主題の君が代がごく控えめに出てきます。頭の歌詞「きみがよは」、最後の「こけのむすまで」の部分にも和音が付けられています(君が代の和声についてはこちらが参考になります→第二の君が代について)。中間部は原曲と少し和声が違いますが、奇を衒わない静かな出だしです。

この後、君が代の旋律が極めてオーソドックスに変奏されていきます。ライナーノートのYM氏による楽曲解説を引用させてもらいます。

 〈日本国歌「君が代」を主題としながらも、時局的な戦意高揚の意図の感じられない伝統的なドイツ流変奏曲で、息苦しいまで理づめに書かれている。12の変奏と長大なコーダ全体にわたりオクターブや大きな跳躍が多く、演奏には極めて高度な技巧とエネルギーが要求されるが、外面的な華麗さはない。〉

[ 2007/04/01 15:48 ] 日本の作曲家 | TB(0) | CM(0)
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