くまぞう雑記帳

伊福部昭、芥川也寸志、黛敏郎・・・クラシック系日本人作曲家の音楽を愛好しております。

「涅槃交響曲」コンサートに行ってきた(1) 

〔2006.08.01〕
 新交響楽団第194回演奏会 (2006年7月22日 東京・サントリーホール)
 指揮:小松一彦

 芥川也寸志:交響管絃楽のための音楽
 伊福部 昭:管絃楽のための日本組曲
 黛  敏郎:涅槃交響曲(男声合唱・栗友会)

 私が最も愛し尊敬する邦人作曲家、伊福部昭と、その一番弟子、二番弟子ともいえる芥川、黛の作品の演奏会である。もともとは先日亡くなった岩城宏之氏が指揮するはずだったコンサートであり、直前の指揮者急逝で曲目変更、公演中止を心配したが、邦人作曲家作品を得意とする小松氏が無事に代役を務めてくれた。

 曲目変更を心配、と書いたのはメーンの涅槃交響曲のことだ。1958年に岩城の指揮で初演されたこの曲は、梵鐘つまりお寺の鐘の音をオーケストラの楽器で再現した「カンパノロジー」と称する奇数楽章と、6名の独唱を含む12声部の男声合唱が荘厳なお経を唱えてオケと絡む偶数楽章の全6楽章からなる大作。オーケストラは梵鐘の微妙なうなりなどを表現するため、ステージ上のほかに客席後方の左右にも配置される。かなり特異で難易度が高い曲であり、ぶっつけ本番に近い形でうまくいくのかと懸念したのである。 

 岩城氏以外の指揮者ではほとんど演奏されたことがなく(というか今回の小松氏が初めて?)、今後演奏機会がなかなかないであろうと思われる曲である。これは万難を排しても見に行かねばならぬ、少々演奏がまずくてもなどと考えていたが、いやこれは指揮者抜きで早くから練習していたというオケ、それにコーラスや小松氏に対して失礼であった。たいへん感動的な演奏であり、青春18きっぷで新快速や鈍行を乗り継いで東京まで行った甲斐があったというものだ。

 「梵鐘の響きをオーケストラで? お経を詠む男声合唱? 辛気くさ」
 「難解なゲンダイオンガクなんて」
 「黛敏郎って変な右翼のオッサンやん」

 そう思う人が多いかな?多少眠くなる(私は音楽を聴くとすぐ眠くなるのだが)かもしれないけれど、日本人の心の奥深いところに響いてくる音楽だと思う。

 (8月2日追記)黛敏郎情報が詳しい序破急さんのサイトに過去の涅槃交響曲の演奏履歴が載っていました。山田一雄、若杉弘など岩城氏以外の方も指揮しているようですね。

[ 2006/08/01 02:06 ] 黛敏郎 | TB(0) | CM(5)
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